こんにちは、営業の鈴木です!タイは暑季入りした途端、猛暑が続いていますが、タイ在住のみなさまはいかがお過ごしでしょうか?
今日は卵を使ったエコ製品をご紹介します。
その名も「プラシェル」です。
プラシェルは、卵の殻と卵の抗菌剤を樹脂に配合し、プラスチックを60%も削減した新しい素材として目下、注目を集めています。
プラシェル樹脂を使用して作られたリターナブル箸・トレイ・オープナーなどは、様々な企業や公共施設などで使用がはじまっています。
プラシェルを導入することで、従来のプラスチックの使用量が減り、脱プラスチックに貢献することができます。
脱炭素に向け、エコ製品をお探しのお客様は、ぜひ最後までお読みください!
プラスチック問題
プラシェル開発の背景には、プラスチック問題があります。
世界中で、年間約3億トンのプラスチックが生産されていると言われていますが、その99%は原油やその他の化石燃料から作られています。
石油ベースのプラスチックは、一度廃棄すると、分解されずことなく何世紀にもわたって残り続けてしまいます。プラスチックは劣化して小さくなりますが、完全に分解されるには400年かかると言われています。
細かくなったマイクロプラスチックの回収は困難で、年間800万トンものマイクロプラスチックが海に流れ、汚染の原因になっています。
一方プラスチックは、燃やそうとすると多くの二酸化炭素や有害物質を大気中に放出し、温暖化や大気汚染の原因となります。
このようなプラスチック問題に早急に対処する必要がある中、卵の殻は生分解性プラスチックを作成するため、革新的な資源として浮上しました。
素材としての卵の強み
世界の卵生産データによると、2018年には約7,800万トンの卵が生産され、858万トンの卵の殻が捨てられました。
もし卵の殻を素材として再利用し、持続可能バイオプラスチックを作ることができれば、それはとても革新的なこと。地球上の脱炭素にも大きく貢献するはずです。
プラシェル焼却時のCo2排出量はプラスチックに比べとても少なく、環境への負担が少ない。それだけでなく、卵殻の成分はおよそ94%が炭酸カルシウムでできており、耐久性と抗菌性を持っているのです。
卵殻は厚さ0.26~0.38mmの多孔質(穴がたくさんあいている)で、この穴を「気孔」というのですが、この穴が可塑剤や添加剤を吸収する役割を果たします。つまり、加工しやすい素材なのです。
この加工しやすいという特性は、バイオプラスチックを、さまざまなニーズに合わせて整形するのに役立ちます。パッケージから消費財に至るまで、幅広い用途での材料に応用することが可能になるのです。
つまり卵の殻は、環境に優しく、かつ耐久性もある、ある意味では夢のような新素材といえるでしょう。
プラシェルの導入実績
2018年7月、カネパッケージ日本本社は、カルソニックカンセイ株式会社様にオフィス用のドキュメントケースを納入させていただきました。
このように身の回りの製品へのご活用を通じて、環境に配慮した事業を進めていただくことができます。
脱炭素に向けて、エコ素材をお探しの方は、ぜひお問い合わせ下さい。
今後とも、当社はお客様に寄り添い、地球環境改善に取り組んで参ります。
プラシェルについてのQ&A
Q:どのような事業化実績がありますか?
A:例には、保管トレイ、オープナー、ゴルフティーなどを製品化しておりますが、このほかも多岐にわたるご提案が可能です。
Q:卵アレルギーは大丈夫ですか?
A:高温処理していますので問題ありませんが、医学的な検証を行ってはおりません。 卵アレルギーの方で不安がある方は使用を避けて下さい。
Q:抗菌作用は ありますか?
A:抗菌性はあります。カルシウムパウダーを800℃〜100℃で焼成した卵殻抗菌剤を5%配合しています。
Q:匂いはありますか?
A:製品により卵の匂いが残る場合がございます。
Q:どのような成型方法が可能でしょうか?
A:真空成型、インジェクション成型等が可能です。
Q:成型機、金型を改造する必要はありますか?
A:既存の成型機がそのまま使用可能です。まれに金型は製品によって変更の必要があります。
Q:PP以外の素材も生産可能でしょうか?
A:生産可能です。一般的にPPとPEを採用しております。
Q:着色は可能ですか?
A:はい、可能です。
Q:プラシェル製品への表示は?
A:バイオマスマークが表示可能です。
Q:プラシェルの廃棄はどうすればいいですか?
A:一般ごみ(燃えるゴミ)として廃棄できます。
Q:リサイクルは可能ですか?
A:はい。可能です。
Q:焼却処分した際に有毒ガス等発生しますか?
A:いいえ、発生しません。炭酸カルシウム由来の灰が残ります。
Q:土にかえりますか?
A:可能です。プラシェル生分解タイプがあります。
Q:容器包装リサイクル法上の扱いはどうなりますか?
A:日本では、容器包装リサイクル法の対象外となります。卵の殻は再生委託料の対象から外れます。
Q:食品衛生法上の取扱いはどうなりますか?
A:日本では、プラスチック(卵殻51%以上)ではないので対象外となります。また、食品容器としてご使用の場合、PEコーティングにより対応も可能です。
Q:各種輸出規制 (ROHS、REACH等)は対応可能でしょうか?
A:有害物質は含まれておりませんので対象外となります。
以上、今回は脱プラスチックの新素材として注目を集めるプラシェルをご紹介しました。
少しでもご興味のある方は、弊社までお気軽にお問い合わせください!